ギブソンが当局と揉めていることはお伝えしましたが、一向に解決に向かう様子はなく、一部機材と多くのローズウッドは差し押さえられたままということです。
カスタムショップ用の高級ローズウッドは確保されているようですが、量産しなきゃならないレギュラー・モデル用にはBaked Maple、つまり「焼きメイプル」が標準で採用されたようです。
例えばこれ(ファイアーバード・スタジオ)ね。
(ちなみにこのギターいいですね。お値段によっては萌えちゃうかも)
ブラジリアン・ローズウッドが「ヴィンテージに使用されていたから」という理由で神格化されたように、2010年までのギブソンが「指板がローズウッドだから」という理由で将来のヴィンテージ化するんでしょうね。
でもね、これ悪くないと思うんですよ。
ギブソンは過去の成功が現在を支えているんですが、新しいことにも常にチャレンジし続けています。
エレクトリック化も戦前から始めていますし、ハムバッキング・ピックアップ、ロー・インピーダンス・ピックアップ、プリアンプ内蔵、自動チューニングも全部やってます。
でもユーザーから「ギブソンらしくない」と拒否されることが多く、結局レス・ポールとSGがエレクトリックを引っ張っています。
例えば
マホガニーはキューバ産が最高級品ですがすぐに枯渇し、ギブソンが使用していたのは当時の代替材ホンデュラス・マホガニーでした。
これもすぐになくなり英領ホンデュラス産を経て世界中にシフトしていきます。
マホガニーと呼ばれている材は世界中にありますが、分類的に同一種ではなく、南で採れる褐色の材が商品として名乗っているだけという状況です。(wiki)
それでもマホガニーにこだわっているのは音質が良いからではなく、マホガニーに見えないと納得しないユーザーのためです。
マホガニー以外で作られたSGや、バックがマホガニーでないレス・ポールは売れないのです。
そこで生じるのが重量問題です。
現在の(いわゆる)マホガニーは重く、ウェイト・リリーフ・ホールを空けなければギターとして重すぎてしまうという事態になったのはご存知の通り。
(それでも1970年代はユーザーが重さに耐えていました。サスティン重視で重いギターが流行っていたという背景もあります。)
後続メーカーが比較的自由に木材をチョイスできたのに対して、ギブソンは過去の成功が新しい素材へのシフトを難しくしているのです。
ローズウッドも同じようにブラジル産が禁輸対象になって以来、インド産が世界の需要を満たしていましたが、ついにそれも厳しくなってきました。
ギブソンは危ない橋を渡らないとローズウッドを入手できなかったのでしょうか。
こうなった以上、ユーザーもローズウッド指板を求めず、使える素材からいいものを選んでいるメーカーとの信頼関係が構築できればと思います。
しかしメイプルをローストするなんて方法、よく思いつきましたね。
最近のコメント